(1)REIT銘柄と予想利回り
REITの財務健全性を見るときに、LTVが高ければ借入が多いのに対して、LTVが低ければ借入が少ないと言えます。LTVにより、REITの経営に借入によるレバレッジをどのくらい効かせているのかが分かりますが、業績の安定性を左右すると言えますね。REIT物流型の銘柄の特徴について、東洋経済2013年1月12日号を見てみましょう。
(2)大和ハウス・レジデンシャルの特徴
- 分配金利回り 4.951%
- LTV 55.8%
- スポンサー企業 大和ハウス工業
- 総資産(百万円) 218,295
- 主な投資物件 クイズ恵比寿 芝浦アイランド ブルームタワー
(3)大和ハウス・レジデンシャルの強み
2008年に破綻したニューシティ・レジデンスを10年4月に買収。アドバンス・レジデンスと同様、合併差益が大きい。大和ハウス系の住宅特化型REIT。投資口価格は70万円前後だが、予想分配金利回りは5%と高水準なのが魅力。大和ハウス・レジデンシャルは、倒産したニューシティ・レジデンスを買収することで投資信託の規模を拡大したようですね。
ニューシティ・レジデンスは、リーマンショックによる資金不足が倒産の原因ですが、合併差益が大きいということは比較的、安い価格で買収に成功したということですね。
(4)大和ハウス・レジデンシャルの業績
- 2012年2月期 営業収益7,421百万円 純利益2,234百万円 1口当たり配分金16,000円
- 2012年8月期 営業収益5,637百万円 純利益2,617百万円 1口当たり配分金17,689円
- 2013年2月期(予想) 営業収益5,865百万円 純利益2,665百万円 1口当たり配分金18,000円
- 2013年8月期(予想) 営業収益5,839百万円 純利益2,590百万円 1口当たり配分金17,500円
(5)アドバンス・レジデンスの特徴
- 分配金利回り 5.223%
- LTV 53.7%
- スポンサー企業 伊藤忠商事 伊藤忠都市開発 日本土地建物
- 総資産(百万円) 384,091
- 主な投資物件 レジディアタワー目黒不動前 パシフィックロイヤルコートみなとみらい オーシャンタワー
(6)アドバンス・レジデンスは配当金が多い
伊藤忠系の住宅特化型REIT。2010年3月に日本レジデンシャルと合併。合併差益の剰余金が潤沢で、純利益を上回る超過分配を実施。住宅型では最大規模。投資口価格が20万円以下で買いやすいこともポイント。
アドバンス・レジデンスも合併差益による剰余金をもとに、多額の配当金を行っていますね。アドバンス・レジデンスは、資産売却益や賃貸収入から運営コストを引いた金額を上回る配当を行っているということですね。
(7)アドバンス・レジデンスの業績
- 2012年1月期 営業収益11,259百万円 純利益3,997百万円 1口当たり配分金4,500円
- 2012年7月期 営業収益12,219百万円 純利益4,611百万円 1口当たり配分金4,724円
- 2013年1月期(予想) 営業収益12,201百万円 純利益4,675百万円 1口当たり配分金4,500円
- 2013年7月期(予想) 営業収益12,276百万円 純利益4,675百万円 1口当たり配分金4,500円