(1)ヘルスケアは日本の成長産業
リート日銀買い入れについて見ていきましたが、ヘルスケアREITと成長産業について東洋経済2013年1月12日号を見てみましょう。日本でも数少ない成長産業のヘルスケア。REITにも本格参入の機会が訪れようとしている。日本は、少子高齢化による人口減少が進み、国内経済の伸びが鈍化することが指摘されています。高齢化が進むということは、以前から指摘されていましたが、日本社会の富裕層である高齢者向けの市場が伸びるということですね。
(2)ヘルスケアREITは高齢者向け住宅などが投資対象
国土交通省は高齢者向け住宅などを投資対象とするヘルスケアREIT設立に向けた検討委員会を12年10月に立ち上げた。今後1年程度をかけて議論を重ねていく。ヘルスケアREITは、高齢者を対象とした市場であり、高齢者向け住宅などが投資対象になるようですね。日本の富裕層のほとんどは、高齢者ですし、現状日本にはない不動産投資信託ですので、販売されれば注目があつまりそうですね。
新生銀行ヘルスケアREITのIPOを検討しており、国土交通省の検討委員会などで制度が整備されれば、新しい資金調達や投資機会として注目されそうですね。
(3)海外ではREIT市場で時価総額の1割を占める国も
バークレイズ証券によると、米国ではヘルスケアREITは11社が上場し、市場の時価総額の約1割を占める。外資系証券会社によると、ヘルスケアREITは米国市場で、時価総額の約1割を占めているようですね。冒頭の資料を見ると、時価総額が約7兆円となっており、米国では一定の市場規模を持っており、機関投資家としての存在感があることが分かります。
(4)海外ヘルスケアREITの市場動向
- 米国 銘柄数12 時価総額812億ドル
- カナダ 銘柄数4 時価総額26億ドル
- シンガポール 銘柄数2 時価総額19億ドル
- 英国 銘柄数1 時価総額4億ドル
- ニュージーランド 銘柄数1 時価総額3億ドル
- マレーシア 銘柄数1 時価総額3億ドル
- オーストラリア 銘柄数1 時価総額1億ドル
米国と比較するとシンガポールは、経済規模が小規模ですが、金融市場が発達しているうえに、富裕層が集まるため、ヘルスケアREITが成長しつつあるのかもしれないですね。
(5)REITにとって中小規模の施設は投資効率が悪い
米国では大規模なシニア向け施設が多いが、日本は中小規模が多く、REITにとって投資効率の面で取得に見合うかどうかがポイントになる。投資規模が大きく需要見込めれば、銀行融資や自己資金だけでは賄えない案件に対して、REITは有利な条件で出資や物件取得が行え投資効率がよいと言えると思います。ヘルスケアREITの組成で問題となっているのは、中小規模が多ければ、REITを使う必要はないという点もあるのでしょうね。不動産失敗とニーズに続く。 スポンサードリンク