(1)REITと不動産のニーズ
REITは不動産上場投資信託ですので、不動産物件の需要と供給による、価格や賃料価格の変動により、利回りや株価が変動します。日銀の金融緩和策は、国債やETF、リートの買取を発表していますが、国債の大量購入が銀行の運用方針を変化させています。銀行の国債売却とREIT購入について、2013年4月24日の日本経済新聞1面が報じているので見てみましょう。
(2)横浜銀行が長期国債売却で売却益確保
「長めの国債はすべて売った」。日銀が金融緩和に踏み切った翌日の今月5日、横浜銀行頭取の寺沢辰麿(66)は横浜市内で開いたアナリスト説明会で、満期までの残存期間が5年以上の国債を売却し、売却益を確保したことを明かした。横浜銀行頭取は、財務省の天下りが多いですが、長期国債の売却を発表しています。日銀の金融緩和策で、長期国債は価格が値上がりしていおり、横浜銀行の国債売却益確保で決算が期待できそうですね。
(3)地方銀行の長期国債購入と運用に変化
市場に驚きを与えた日銀の異次元緩和は、地方銀行にとっても衝撃だった。日銀が長めの国債を買う方針を打ち出すと長期ゾーンの国債の利回りが急低下。余ったお金を国債で運用しておけばある程度の利益が上がる局面は終わった。地方銀行は、長期国債購入で利益を稼いできましたが、日銀の金融緩和により国債の金利が下落しており、運用方針に変化が生まれています。
(4)外国債券や上場不動産投資信託への投資を拡大
寺沢は1日に公表したばかりの中期運用計画を「5月の連休をメドに見直す」と付け加えた。外国債券や上場不動産投資信託への投資を拡大し、脱・国債依存の傾向を強める見込みだ。横浜銀行は、日本の長期国債よりも、金利は高いがリスクの大きい、外国債券や上場不動産投資信託(REIT)への投資拡大をするようですね。
機関投資家に地方銀行が加われば、外国債券やREITの取引は厚みが増すため、さらなる値上がりの要因になる可能性がありますね。
(5)仕組み債や不動産ファンドへの投資を強化
長野県の八十二銀行も仕組み債や不動産ファンドへの投資を強化する。頭取の山浦愛幸(66)は運用畑の湯元昭一(56)を後任に選んだ。19日に記者会見した湯元は「国債で運用しようとしても利回りが低い。収益は厳しいと」語った。八十二銀行も、長期国債の運用から脱却を模索しており、仕組み債や不動産ファンドへの投資を強化することで利回りの確保をはかるようですね。
不動産ファンドへの投資は不動産市況の改善につながりますので、銀行の投資方針の変化はREIT値上がりに影響しそうですね。REIT銘柄比較と銀行購入を見ると、格付け基準の緩い格付け会社に偏っている点は注意が必要ですね。
八十二銀行が不動産ファンドへの投資を強化するようですが、不動産ファンド地方銀行が高利回り運用を見ると、地方銀行が不動産関連の投資を広げていることが分かりますね。 スポンサードリンク