(1)株や土地のバブル
日銀金融緩和のデメリットについて、2013年4月25日の日経新聞5面がQ&A方式でまとめているので見てみましょう。思い切った金融緩和に心配はなかったの?
これまでにない量のお金を出すので、将来の副作用を心配する声もある。たとえば株式や不動産市場に大量のお金が流れ込み、株や土地が実力以上に上がってしまうような状況だ。資産バブルと呼ばれる。日銀金融緩和のデメリットは、株や土地の価格が値上がりしすぎる、資産バブルを懸念する声もあるようです。日銀金融緩和のデメリットとしてよく見かけますが、人口が減少しているうえに、都心に富裕層が集中していますので、全国的とはならないでしょうね。新築マンション相場値上がり理由を見ると、昔の土地バブルとは少し様子が違うことが分かりますね。
少子高齢化が進む今、1980年代のようなバブルは来ないかもしれない。ただ一部には似た現象が起きるおそれはある。実力以上の価格は長続きしない。いつか下落に転じ、損をする人が出てくる。過去の経験からすると、後始末には時間も手間もかかる。
(2)黒田日銀総裁は資産バブルよりもデフレ脱却を重視
心配だね。
新しい緩和策を進める黒田東彦総裁は「現時点で資産バブルが膨れあがる懸念はもっていない」と話している。まずは長年続いたデフレを抜け出すことが一番の課題というわけだ。日銀金融政策決定会合議事要旨の内容を見ると、大規模な金融緩和により、2%の物価上昇が安定的に続くまで続けることを明記しており、デフレ脱却が目的となっています。
(3)金融緩和と物価上昇を目指す理由
とにかく早く物価があがればいいの?
働く人たちの給料があがらないまま、原油などのエネルギー輸入価格があがってしまうと逆効果だ。物価はあがるけど、みんなの生活は苦しくなる。円安がとまらなくなるとそうした懸念も出てくる。日銀金融緩和のデメリットとして、原油などのエネルギー輸入価格が指摘されていますが、エネルギー輸入価格は為替相場や原油相場の動向に左右されますので、金融緩和はあまり関係がないですね。
為替レートや原油相場の動向によって、エネルギー輸入価格は変動しますが、日経新聞の担当者はあまり内容を理解できていないのかもしれないですね。金融緩和で物価上昇すると、国内で原油を精製すると、経費の値上がりが発生する可能性がありますが、エネルギー輸入価格は基本的に別の話ですね。
(4)銀行の国債売却と不動産に資金流入
国債をたくさん買うことに問題は?
国債は国の借金証書。「日銀が国の借金を穴埋めしている」と思われないようにすることが大事だ。日銀は銀行から国債を買うので借金を直接引き受けるわけではない。ただ気をつけないと、国が安易な借金に流れる心配はある。日銀金融緩和のデメリットとして、国債暴落と金利上昇を指摘する人もいます。日銀の国債購入により銀行は資金運用の変更を行っています。
日銀の金融緩和により、銀行など機関投資家の資金運用に変化が生じており、不動産に資金が流れていることが分かりますね。
(5)国債暴落と金利上昇
もし国が借金を減らす努力をしないまま日銀が国債を買い込んでいくと「国は日銀に甘えて借金を返すつもりがない」とみられるかもしれない。国の信用が落ち、円の急落や金利の急上昇で世の中が混乱する。日銀が国に財政を立て直すよう求めているのも、そんな事態を防ぐためだ。日銀金融緩和について、中央銀行の信認が低下して、国が混乱すると言う指摘があります。アメリカやヨーロッパの中央銀行が、金融緩和を行っていますが、世の中の大混乱は特に起きていないように、管理人は感じています。
(6)金融緩和とデフレ脱却
じゃあデフレが終わったらすぐにやめないと。
無事にデフレから抜け出した後の話だけど、緩和策をどう終わらせるかも問題になるだろう。焦点は大量に買った国債をどうするか。国債を一気に売ろうとすると価格が急落して金利が上がり、市場や経済が混乱するかもしれない。日銀の金融緩和について、デメリットや脱却の方法ばかりを指摘する声もあるようですが、1ヶ月でデフレ脱却が行われるわけでもないので、考える時間は当面あるのではないでしょうか。
お金をどんどん流し込む今回の政策を「行きはよい、帰りはこわい」という人もいる。出足は好調だけど、よくよく帰り道のことも考えないといけない。効果がある程度できたところで、出口に向けたしっかりした戦略をつくる必要がありそうだ。
銀行融資や国債売却が進めば、日銀の金融緩和の影響が本格的にでてくるでしょう。アメリカやヨーロッパの中央銀行もそうですが、国債を一気に売却すると急落するのは、需給を考えると当たり前なので、日銀も愚策はとらないのではないでしょうか。 スポンサードリンク